*小説(翻訳)

2011年3月20日 (日)

夏への扉/ロバート・A・ハインライン[訳:福島正実]

ミステリとかSFとかそういう区分けがよくわかっていない(実は今もよくわからない)子どもの頃に何度も読んで、そろそろダニーが起きるからと2001年に読んで、そこかで10年経ってまた再読。キャラメルボックスが舞台化するというので、観劇の前に予習。いや、復習?

SFのオールタイムベストに常にランクインする古典名作。私は滅多に知人・友人に本を勧めないのだけど(なぜなら自分の好みに自信がないから)、これは何人か勧めたことがある。エスエフ、という記号だけで弾いちゃうのは本当にもったいないので、食わず嫌いの方はぜひチャレンジを。

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)
ロバート・A. ハインライン Robert A. Heinlein
415011742X

2010年12月24日 (金)

ティファニーで朝食を/トルーマン・カポーティ

かなり昔のもしかしたらティーンエージャーの時代、映画の原作だ、と何となく読んだら、一番最後の「クリスマスの思い出」にやられてしまった。それ以来、マイ・ベスト・クリスマスストーリーに燦然と輝いて他の追随を許さない。毎年、冬になると読みたくなる。

フルーツケーキのしたくにかかるにはもってこいのお天気だよ!

数年前に村上春樹新訳版が発売されたので読んでみたのだけれど、一発目スリコミ体質のせいか、元の訳の方が好きだった。「ティファニーで朝食を」は村上訳の方が好きなんだけど。

ティファニーで朝食を (新潮文庫)
カポーティ/龍口 直太郎
4102095012

ティファニーで朝食を (新潮文庫)
トルーマン カポーティ/村上春樹
410209508X

A Christmas Memory (Modern Library)
Truman Capote
0679602372

2010年12月 8日 (水)

フランキー・マシーンの冬/ドン・ウィンズロウ[訳:東江一紀]

主人公は餌屋のフランキー。釣り人に餌を売ったり、レストランに魚売ったりリネンを納めたりしているけど、昔は凄腕の殺し屋。恋人とディナーをしたり別れた妻のキッチンのメンテナンスをしたりしつつ、娘が医学部に入ることになったからますます稼がなくては・・・というある日、命を狙われる。さて、俺を殺したいのは一体誰だ。

とにかく登場人物が多くて、油断すると誰が誰なのかわからん!という状態になるので、一気に読むことをお勧めする。上下巻だけど、一冊は薄めだし。というか、私の場合は誰にお勧めされなくても、この作者の本は一気に読んでしまうのだけど。

現在形の多用はここでも変わらず、テンポのよさもいつもの通り。

現役の外国人作家で新刊を待っているのはこの人くらいなので、ニールシリーズ完結以来の音沙汰のなさにどうしたことかと思っていたら、去年あたりから復活してきて嬉しい限り。訳者あとがきによれば、この先も1年に1作は読めそうな気配。原書で5年のシリーズが13年かかった前科はあるけれど、もしも私が富豪なら、私のためだけに東江一紀に「歓喜の島」を訳してもらいたい!と半ば本気で思っているくらい、私はウィンズロウ&東江コンビが大好きである。

お二人ともお体ご自愛の上、ぜひ末永くご活躍のほど・・・・。

フランキー・マシーンの冬 上 (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ 東江 一紀
4042823068
フランキー・マシーンの冬 下 (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ 東江 一紀
4042823076

2010年5月 6日 (木)

ヒックとドラゴン〈4〉氷海の呪い/クレシッダ コーウェル[訳:相良倫子, 陶浪亜希]

シリーズ4作目。キーワードはジャガイモ。

今回初登場のヒステリー族のみなさんの属性。

ヒステリー族というのは、バイキングのなかでも、とくに残忍でタチの悪い民族だ。(中略)知らない人に出くわすと、殺してからあいさつするような人たちらしい。

・・・困りましたね。

バイキングのみなさんが祭りで行う「アイス・スマッシュスティック」の説明。

アイス・スマッシュスティックというのは、スティックとパックとスケートぐつを使った、とても激しいスポーツだ。ルールは、だれもよく知らないため、試合中に適当につくられていく。

・・・それはただのケンカです。

こんな環境で、後ろ向きながらも常識を保ち続けるヒックは、もしかしたらすごーく大物かもしれません。今回もそろりそろりと大活躍。ものすごい動体視力です、彼。

ヒックとドラゴン〈4〉氷海の呪い
ヒックとドラゴン〈4〉氷海の呪い Cressida Cowell
相良 倫子(訳)
陶浪 亜希(訳)

ヒックとドラゴン〈3〉天牢の女海賊 ヒックとドラゴン〈2〉深海の秘宝 ヒックとドラゴン〈1〉伝説の怪物   

2010年5月 4日 (火)

ヒックとドラゴン〈3〉天牢の女海賊/クレシッダ コーウェル[訳:相良倫子, 陶浪亜希]

昔々。ローマ帝国の世界征服がもう少しで成功しそうな頃。世の中にはたくさんのドラゴンと、大勢のバイキングがおりましたとさ。

そんなわけで「ヒックとドラゴン」シリーズ3作目。1、2作目はこちら

今回の新キャラは、女バイキング、ドロドロ族のカシラの娘、カミカジ嬢。女尊男卑の彼女の行動指針は当たって砕けろ。毎回砕けてますけれど。

対して剣の腕はあるけれどもインドア系でペシミストな主人公ヒックの作戦はまたもやむちゃくちゃ。でも、綱渡りで今回も勝ち。なかなかやるじゃん。ま、男にしてはってことだけど。

そして私のお気に入り。

これがヒック・ホレンダス・ハドック三世のしわざでなければ、わたくしは自分をザリガニだと宣言してもいい。

・・・そんな宣言、いらないよ、アルビン。

ヒックとドラゴン〈3〉天牢の女海賊
Cressida Cowell
相良 倫子 (翻訳)
陶浪 亜希 (翻訳)
433824903X

2010年1月 7日 (木)

ヒックとドラゴン/クレシッダ コーウェル[訳:相良倫子, 陶浪亜希]

ヒック、ヒック、ヒックは海の子バイキング♪
同世代の方だけわかっていただければ結構です。失礼しました。

わしが子どもだったころ、この世には、まだドラゴンがたくさんおった。

と語り始めるのは、ヒック・ホレンダス・ハドック3世。バイキングの伝説的なヒーローである彼が、小柄でひ弱ないじめられっこの少年ヒックだったころの物語。

少年バイキングの第一の試練は、"まだたくさんお"るドラゴンの中から自分の相棒を選ぶこと。第二の試練はそのドラゴンをきちんとしつけること。ヒックが手に入れたのは、歯ナシのちびっこドラゴン、トゥースレス。

相棒のしつけに手こずりながらも、巨大なドラゴンを退治する1巻。やっぱり言うことを聞かないトゥースレスに手を焼きながらも、悪者や海底ドラゴンと闘う2巻。同時に発売されたので、続けて読んだ。

小柄でひ弱ないじめられっこの少年ヒックは、8巻かけてどんどん成長していくらしい。1巻では得意のドラゴン語(彼しか話せない)を駆使してヒーローに一歩前進、2巻では秘剣を手に入れる(ついでに利き手がようやく判明)。

ワタシのお気に入りは、2巻に登場する「貧しいけれど正直な百姓」アルビン。この人が出てきてから、かなりお話が面白くなった。ぜひこのままレギュラーの座についていただきたい。

声に出して笑ったフレーズ。

面と向かって闘うより、敵の飲み物に毒を盛ったり、うしろから岩でなぐりつけたりするほうが得意なのだ

卑怯もの丸出しすぎるぞ、悪役!

今年の夏、ドリームワークスによる映画が公開予定。だいぶ絵のイメージが違うなぁ。ドラゴンでっかいし。。。あっ、しかも名前が「トゥース」だ!映画版は歯もあるらしい。
まぁ原作と映画ってそういうもんですよね。

ヒックとドラゴン〈1〉伝説の怪物
Cressida Cowell
相良 倫子 (翻訳)
陶浪 亜希 (翻訳)
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ヒックとドラゴン〈2〉深海の秘宝
Cressida Cowell
相良 倫子 (翻訳)
陶浪 亜希 (翻訳)
4338249021

2006年8月19日 (土)

砂漠で溺れるわけにはいかない/ドン・ウィンズロウ[訳:東江一紀]

「ストリート・キッズ 」 シリーズ5作目にして最終巻。

驚いた。旅行先で本屋をふらついたら見たことのあるデザインの表紙が。まさかねぇ、前作が出てからまだ1年経ってないし。と思って手にとったら正真正銘の新刊だった。驚いた。だっていつもはこんな感じだったから、これが出るのは2010年くらいかと思っていたのだ。驚いた。

という反応を見越していたのか、「訳者あとがき」で、東江一紀が4Pに渡り経過説明と言い訳をしたうえで「ここまで読めば、この五作目が前作から一年後に出たことのすごさがわかっていただけると思います」と締めくくっていた。開き直りすぎである。ただ、「歓喜の島」の経験もあるので、このシリーズは全編同じ訳者で読みたかった。なので満足。絶対無理だけど、「歓喜の島」も東江訳で読んでみたいなぁ。

内容は、これまでの中で一番軽くて短い。今回は「ちょっとアルツハイマーの気があるかもしれない往年の名コメディアン」というおじいちゃんが出てくるのだが、この人がしゃべることしゃべること。例えば、丸々6ページがひとつのかぎかっこ。訳者あとがきより長いじゃないか。こんな人がいなくても、軽快で洒脱な会話がウリのシリーズなのに。おかげで何度も噴き出した。お話的には「フリダシニモドル」。がんばれ、ニール。

13年半もお付き合いしたシリーズの終了はそれはそれで寂しい(ちなみに原作は5年で完結してる)。解説では続編の可能性がさらりと触れられていて、それはそれで嬉しいのだが、ウィンズロウが続編を書いたとしても、きっと日本語訳が出るまでに20年くらいかかるに違いない。でも東江訳がいいな。

【ニール・ケアリーシリーズ(5巻完結)】
1.ストリート・キッズ
2.仏陀の鏡への道
3.高く孤独な道を行け
4.ウォータースライドをのぼれ
5.砂漠で溺れるわけにはいかない
【ちょっとスピンオフ】
歓喜の島

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いたずら魔女のノシーとマーム〈6〉最後の宇宙決戦/ケイト・ソーンダス[訳:相良倫子・陶浪亜希]

イギリスの教会に住み着いた、2人の魔女のシリーズ、6作目にして最終巻。

前巻で時空を越えた魔女さんたち、今回は成層圏も越えました。お話の構成はディズニー映画の「アラジン」ですね。Diamonds in the rough。

ただし、主人公たちの凱旋で沸く魔女島でも年寄りは苦い顔をしているし、ナタウリカップのために人間関係が荒んだことを牧師は悩んでる。やはりこの作者は、節々にオトナの事情を挟むのが好きらしい。で、今回はこのナタウリカップがお話のきっかけなわけですが。やはりシリーズ物では誰かがうっかりモノじゃないとね。

オーラスにふさわしく、オールキャスト出演(巻が進むにつれ、どう考えても魔女たちよりも嘘つきネコの方がオイシイ役になってる気がするけど)。もちろん児童書でございますからして、結末は大団円。どなた様もご安心してお読みください。

ところで。ドロ茶を飲み、最高勲位が「ゴミ箱勲章」であり、湿気と硫黄臭を好む魔女に対して「くさったキャベツ」はホメ言葉じゃないのかなぁ。紫タイツがふてくされたままの、魔女島の今後が気になります。

4338214066

2006年7月18日 (火)

あなたに不利な証拠として/ローリー・リン・ドラモンド[駒月雅子]

「あなたには黙秘する権利がある。あなたの発言は、法廷で不利な証拠として使われる可能性がある」。タイトルはこの、「ミランダ警告」のフレーズより。

ルイジアナ州を舞台にした、オムニバス形式の物語。犯人を追え!というような話ではなく、5人の女性警官の日常を比較的淡々と描いた内容。とは言っても、ごろつきを蹴り上げながら、犯人に銃を向けながら、「あなたの発言は~」と告げるのが彼女たちの日常なわけで。作者は実際、警官だった経験をもつそうで、ふとした描写がやけに生々しい。きっと警察官の日常はこうなんだろうな、と思わせる。

ところでこの本、章見出しが日英併記。2編目の章題は「味、感触、視覚、音、匂い」で、真下の原題が「Taste,Touch,Sight,Sound,Smell」。並べられるから気になってしまう。頭文字がT,T,S,S,Sときて、全部5文字単語。作者が意識してないとは思えないので、「味覚、知覚、視覚、聴覚、嗅覚」か、一気に「五感」にしちゃうだろうなぁ、私なら。

あなたに不利な証拠として

2006年7月 4日 (火)

いたずら魔女のノシーとマーム〈5〉恐怖のタイムマシン旅行/ケイト・ソーンダズ[訳:相良倫子・陶浪亜希]

イギリスの教会に住み着いた、2人の魔女のシリーズ、これで5作目。

シリーズもかなり後半に入り、登場人物たちのキャラもかなりくっきりはっきり。気が強い魔女はより強く、弱い魔女はより弱く、悪役はより悪役らしく。内容的にはバック・トゥー・ザ・フューチャーと、インディ・ジョーンズが入り乱れた感じのアドベンチャー。今をときめくダ・ビンチも登場(でも、さすがに暗号はありません)。

今回のヒットは、またまたゲップ&ゲップ出版による「誰でも知ってる下品な歌」。お値段は9マジョシリング。あ、「わたしの激動の人生」より安いんだ。

 

いたずら魔女のノシーとマーム〈5〉恐怖のタイムマシン旅行

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