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2005年10月

2005年10月26日 (水)

小説作法/スティーブン・キング[訳:池 央耿]

キング流の「小説の書き方」なわけだが、そんなことに興味がない人でも「読み物」として十分面白い。特に作者が好きな人にはかなり面白いのでは。

私はこれを読んで、彼がかなりシリアスな交通事故に遭ったことを初めて知った。シビアなリハビリを経て、彼は今でも新作を発表し続けている。素直に賞賛。

小説作法

2005年10月24日 (月)

キッチン/吉本ばなな

「デビュー作には全てがつまっている」とか言われたりするが、この人の作品の中では、いまでもこれが一番好き(持ってるのは文庫じゃなくて、福武の単行本なのでカバーデザインが違う。AMAZONさん、福武版にも画像のっけてください)。

落ち込んだときに読みがち。

「大丈夫、大丈夫、いつかはここを抜ける日がやってくる」

キッチン

2005年10月21日 (金)

魔王/伊坂幸太郎

講談社「エソラ」に連続で掲載された作品。こんなこと書いてたら、あっと言う間に単行本になった。考えることを止めない、兄弟の物語。

考えろ考えろ考えろ。がテーマかなぁ。弟くんは、「重力ピエロ」の弟くんとか「透明ポーラーベア(I love you内)」の弟くんと性格がかぶる感じ。

「自分が読んだことのない小説を書きたい」と思って書いたそうなので、これまでの作品とはちょっと毛色が違う。作者もずいぶん考えたに違いない。一応、作者は「ミステリ」に分類されるのだろうが、この作品はSFにカテゴライズ。

魔王

2005年10月18日 (火)

すべての美人は名探偵である/鯨統一郎

邪馬台国はどこですか?」の作者。主人公も同作の登場人物・早乙女静香。「邪馬台国は~」は続編を含めてかなり面白かったし、「なみだ研究所へようこそ」とか「金閣寺に密室」なんかもけっこう楽しんで読んだんだけど、ちょっとこれはいただけないなぁ。どうしちゃったの、鯨さん。

9つのメルヘン」が未読なので、美人探偵の一人・桜川東子のキャラがイマイチつかめませんが、この人だけで話が済むなら、わざわざ早乙女静香を出す必要はないのでは。

なんか話題もキャラも地方(なんで沖縄?なんで北海道?)もアリバイの数も詰め込みすぎで、その割には効果を上げていないような。アリバイ崩しもねぇ、なんかはァそうですか、という感じ。もっとこの作者お得意の歴史ミステリー分野に特化した方が面白かったんじゃないなぁ。

「肩書きは?」
「美人よ」
というやりとりは面白かったですけどね。

すべての美人は名探偵である

2005年10月13日 (木)

カリフォルニアの炎/ドン・ウィンズロウ[訳:東江一紀]

主人公ジャックはカリフォルニア火災生命の火災査定人。保険金を払う火事に不審な点はないか?詐欺ではないか?を調べる仕事。ウィンズロウは色んなことを試してみたかったようで、回想シーン以外はすべて「現在形」で語られる。
-ジャックはトランクを開ける。
-トミーは首を振る。
-レティが言う。
全体的に構成が映画っぽい。14回盗まれたスプーンの保険金を請求しているハサウェイ老婦人がいいスパイス。結末はほろ苦。
原題「CALIFORNIA FIRE AND LIFE」。タイトルで「カリフォルニアの火と命」と「カリフォルニア火災生命」をかけてる。本当に訳者泣かせの作家だと思う。

カリフォルニアの炎

2005年10月12日 (水)

ばななブレイク/吉本ばなな

エッセイ集の文庫というのは面白い。何が面白いって、時間の経過が。雑誌などに発表された短い文章をまとめたものが多いので、単行本になった時点である程度の時間が経っている。さらに文庫になるまでに大体3年くらいはかかるから、単行本で読む頃には、その頃旬の話題もすっかり昔話になっている。

この本(文庫版)は今年の8月発売だけれど、中身は1993年から2000年に発表されたもの。アイルトンセナが死んで、小沢健二の「LIFE」のバカ売れして、岡崎京子が交通事故に遭って、サザンのTSUNAMIが流行るまで。私の人生で言うと、まるまる20代。

なるほどそういう風に過ごして、そういう風に感じてましたか、ということが興味深くて、私はエッセイ集を読むことが多い。ちなみにマイ・ベストよしもとばななは、「キッチン」の中に入っている「ムーン・ライト・シャドウ」で今も変わらず。

ばななブレイク

2005年10月10日 (月)

ザ・ジョーカー/大沢在昌

この作者が得意とする正統派ハードボイルド。って、最近ハードボイルドばっか読んでますが。

何度も言ってるように、ハッピーエンドを心から愛しているので、「主人公が絶対死なない」物語は読みやすい。ということで、あまり頭を使いたくないときに選びがちな大沢在昌。いえ、鮫シリーズとかは重いんだと思います。手を出してないだけ。「佐久間公」シリーズは読破してるので我ながら適当ですが、この人の作品は「アルバイト探偵」シリーズのような軽めのものの方が、私は好き。

ザ・ジョーカー

2005年10月 4日 (火)

歓喜の島/ドン・ウィンズロウ[訳:後藤 由季子]

舞台は1950年代のN.Y.。主人公は元CIA工作員のウォルター・ウィザーズ。「ウォータースライドをのぼれ」の登場人物の一人。私は外伝や番外編、最近だとスピンオフ企画が非常に好きなタイプなので、それだけでもうウキウキ。

でも残念ながら、訳に違和感、感じまくり。その他のウィンズロウものと訳者が違うんですね。「ニールシリーズ」や「ボビーZ」の場合、「この楽しい会話は、一体英文ではなんと書かれているのだろう?」と何度も楽しい想像を膨らませたが、本書の場合は「きっと英語ではこんな風に書かれているのだろう、もう少しなんとかならんのか」と思ってしまうことが多かった。うーん、経験の差か、カテゴリ適正の差か、この人の他の訳本を読んだことがないのでなんともいえないところ。でもきっとウィンズロウは訳者泣かせの作家に違いない。少なくともハードボイルドに精通してないとムリ。

だからといって内容が全く面白くないわけじゃないけれど、主人公が別の人間だったら、辛かったかも。その時代に詳しくないと、繰り出される数多の名前が登場人物なのか時事モノなのか、イマイチわからんというのも、ページがなかなか進まない原因に。登場人物紹介に何度戻ったか。 50年代のアメリカ世相に詳しい人はもっと楽しく読めると思う。

でも、Mr.ウィザーズったら、昔はかっこよかったのねー。と、ニールも言ってたわ、そういえば。

歓喜の島

2005年10月 3日 (月)

いたずら魔女のノシーとマーム2 謎の猫メンダックス/ケイト・ソーンダズ[訳:相良倫子・陶浪亜希]

いたずら魔女のノシーとマーム1 秘密の呪文」の続編。

季節は少し進んでクリスマス。
人間の世界になじんできたふたりの魔女のところに、小さな猫がやってきた。ただの猫なのか、どれい猫なのか。敵なのか、味方なのか。

明らかに子供向けの作品なのに、「選挙」「解放軍」というお堅い言葉がちらほら出てくる。1にも「オゾン層の破壊」とか出てきましたね。お国柄なんでしょうか。

私のお気に入りである牧師さんと牧師助手の、今回のイチオシ会話。
牧師助手「この町では殺人事件なんか四百年も起きてないんですよ」
牧師「じゃ、そろそろ起きてもいいころなんじゃないの!?」

爆笑。

いたずら魔女のノシーとマーム〈2〉謎の猫、メンダックス
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