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2006年4月

2006年4月28日 (金)

浮かれ黄蝶―御宿かわせみ/平岩弓枝

テレビシリーズにもなっている「御宿かわせみ」シリーズ、なんとこれが31作目!同心の次男坊・神林東吾と、幼馴染のるいの恋物語を中心とした大江戸群像劇。
なのだが。
さすがに31作目、最近は常連さんの子供たちが主役のことが増えてきた。「男はつらいよ」のフォーカスがだんだん満男になっていったのと同じ感じ。でも子供たちの中だと、主役夫婦の娘の千春ちゃんの影が一番薄い。がんばれ千春。

でもこのシリーズは、ストーリーもさることながら、幕末の江戸文化が楽しい。池波正太郎も都筑道夫も杉浦日向子も亡くなってしまった今、とてもとても貴重が気がする。

浮かれ黄蝶―御宿かわせみ

2006年4月25日 (火)

連殺魔方陣/柄刀一

IQ190の天才・天地龍之介シリーズ新刊。進行役はいつも通り従兄弟の光章。一美さんも出てきますが、ほとんど見せ場なし。

今回の主題は「魔方陣」。縦横同数のマス目を作り、縦・横・斜め、どう足しても同じ数になるように数字を並べたもの、それが魔方陣。理論武装が得意な作者ならでは。富豪に館に不仲の家族。本格推理の王道!龍之介の純粋培養天然っぷりは相変わらずですが、謎解きの場面はいつになく強気。慣れてきたんでしょうか。

連殺魔方陣

2006年4月23日 (日)

いたずら魔女のノシーとマーム (4)魔法のパワーハット/ケイト・ソーンダズ[訳:相良倫子・陶浪亜希]

シリーズ4作目。魔女島から追放されてイギリスの教会に住み着いた、2人の魔女の物語。

このシリーズは6巻で完結するらしいので、ここからが後半戦。3巻までに主要キャラクターが全員出揃った感があり、今回は総出演での大騒動。シリーズ全体の「起承転結」の「転」の回じゃないかな(多分)。物語としては、これまでで一番完成していて一番楽しい。新キャラが今後出てくることがあったら、きっと「物語を終結させる」役割を持って登場するような気がする。

ところで「赤ちゃんが動物と話ができる」というのは児童書でよく使われる設定ですね。「赤んぼ大将」のタッチュンはそのものズバリだし、「メアリー・ポピンズ」でもバンクス家の赤ちゃんはそうでした。どちらも成長するとその力はなくなってしまうのですが、トーマスはどうなんでしょう。

さて今回のイチオシ台詞。「政治家ってやつは、選挙に勝つことしか考えてないんだ!」by マーム。古今東西、いずこの国も、それは全く同じのようで。特に今回は、話そのものも「ハーメルンの笛吹き」っぽい。大人ってしょうがない人たちですね。

いたずら魔女のノシーとマーム (4) 魔法のパワーハット

2006年4月18日 (火)

Teen Age

「最近評判の女性作家陣で攻めてみました」な本。

7打数2安打、打率.286。(ヒットは太字)

角田光代瀬尾まいこ、藤野千代、椰月美智子、野中ともそ、島本理生、川上弘美

川上弘美以外はすべて2004年の「小説推理」に掲載で、しかも掲載順通りに並んでいないということは、意図的に並びを変えたんだろう。そう、アンソロジーは並び順が大変重要で。

ほとんどの話の主人公が女の子で、女の子の友達がいて、彼氏がいて、鬱屈していて、でも軽くドライで。トーンがみんな似ているものだから、後半に行くにつれなんだか飽きてしまった。素材は違うけど味付けが同じ料理を並べられた感じ。川上弘美が3人目にいたら、太字にしたなぁ、きっと。

いえ、それぞれの話は結構面白かったんですが。

そんな中でちょっと味が違ったのが瀬尾まいこ。この作者も、作品数はそんなに多くないけど外れがない。これからの方は、坊ちゃん文学賞受賞のデビュー作「卵の緒」からがオススメ。

Teen Age

2006年4月13日 (木)

海紡ぐ螺旋 空の回廊―薬屋探偵妖綺談/高里椎奈

薬屋探偵シリーズ13作目。2006年4月時点での最新作。

前作のときに、「ゆっくりのんびり長く続けてください」とか書いたら、この13巻目で1部が完結してしまった。まあ、あくまで「1部」なのでね、今後も続くでしょう。

私はシリーズものは順番に読むタイプ、さらに読破するタイプなので、1作目からおとなしく順番に読んできたけれど、これは絶対にその方法をとった方がいい。特にこの巻は、これまでのシリーズを全く読んでいないとさっぱりわからない(と思う)。そして、一冊目を読んで、「こういう話はダメ」と感じたらすぐに逃げることをお勧めする。1巻は文庫になってるし。

傾向として、お話よりも作家に付くタイプ、ストーリーよりもキャラに付くタイプの方々には、絶賛オススメのシリーズ。

でもゼロイチの出演はあれだけですか。そうですか。

海紡ぐ螺旋 空の回廊

2006年4月 9日 (日)

七つの黒い夢

「ホラーを書ける最近評判の作家陣で攻めてみました」な本。

7打数3安打、打率.426。(ヒットは太字)

乙一恩田陸北村薫、誉田哲也、西澤保彦、桜坂洋、岩井志麻子。

早い話がハッピーエンドが好きで不条理に弱いと。ついでに怖い話も苦手。じゃあ読むな、って感じですが、乙一が好きなのでね。乙一先生、新刊は・・・。

七つの黒い夢

2006年4月 1日 (土)

終末のフール/伊坂幸太郎

伊坂幸太郎である。新刊である。
「8年後、小惑星が地球に激突する」という発表がありました。というアルマゲドンな設定。当然、伊坂幸太郎であるからして、地球を救う男たちの話ではない。舞台はその発表から5年経った、つまり小惑星の衝突を3年後に控えた、とあるマンションの住人たち8世帯のお話。短編を並べて、その登場人物たちが相互に友情出演(特別出演かも)、というのは、この作者の得意とするパターン。ちなみにロケーションはまた仙台(笑)。
砂漠」では電車の中で泣きそうになったが、今回は一駅乗り過ごした。次の駅で逆方面に乗ったら、もう一度乗り過ごした。アホである。
さて、「小説すばる」に連載されていたというこの作品、どれもなかなか面白かったけど、私は表題作の「終末のフール」と「冬眠のガール」がお気に入り。この人は、ものすごい設定で「希望」を書く。死神が語ったり、泥棒が語ったり。シンプルだけど、好きな理由はそれだ。

参考までに、新井素子の「ひとめあなたに・・・」がほとんど同じ設定のお話。こちらは隕石衝突まであと1週間。未読の方はぜひどうぞ。壊れない人を描いた伊坂幸太郎、壊れてゆく人を描いた新井素子、って感じです。ということで、今回のカテゴリは「SF」。伊坂作品、毎回分類に悩みます。

「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」

終末のフール

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