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2006年5月

2006年5月31日 (水)

雪屋のロッスさん/いしいしんじ

30の職業と30の名前で表される題名が30並ぶ短編集。

ほんわかした話あり、風刺モノあり、言ってみれば現代のイソップ物語。大人向けの童話集。「風呂屋の島田夫妻」「ポリバケツの青木青兵」「旧街道のトマー」あたりがお気に入り。

星新一のショートショート、別役実の戯曲や童話、江國香織の「僕の小鳥ちゃん」「ホテル・カクタス」あたりが好きな方はぜひ。

雪屋のロッスさん

2006年5月27日 (土)

陽気なギャングの日常と襲撃/伊坂幸太郎

伊坂幸太郎の、初めての続編らしい。

前作は「陽気なギャングが地球を回す 」。伊坂作品、初の映画化。絶賛公開中。

残念ながら前作ほどワクワク感はなかったけれど、会話を中心にしたユーモアは健在。ま、伊坂幸太郎ですから。個人的には饗野&祥子サンの会話が一番好き。

一作目を読んだ方にオススメ。ちなみに映画の方は、「わからないフリが上手い方」にオススメ。

陽気なギャングの日常と襲撃

2006年5月25日 (木)

ネコソギラジカル(上)(中)(下)/西尾維新

目次をめくると。次は登場人物一覧表。嘘かと思って数えてみた。64人。いくらなんでも多すぎる。と思ったら、ほとんどが「これまで出てきた人物」だった。幾人かは既に死んでいた。でも、名前を見たら概ね全員認識可能。・・・みんなで揃ってキャラ立ちすぎ。でもこの作者、男キャラより女キャラの方が描くの上手いな。でもあれ?一人足りなくないか?わざと??

そんなわけで、「戯言シリーズ」最終話。6話9冊に64人。・・・このまま映画化は確実に不可能。

単独で読んでも問題はないんだろうけど、なんと言っても登場人物64人、進行役には回想癖あり、ときたら、順番に読んで行くのが十全ですわ、ディア・フレンド。バラで考えるなら、2作目「クビシメロマンチスト」が一番面白かった。ただし読み終わって判断するに、これは9冊でひとつのお話なので、一気にぶんぶん読んでいくべき。立ち止まらず先に進む。悩むのはいーちゃんにまかせとく。騙されたと思って読んでみる。騙されるかもしれないけど。

「青色サヴァンと戯言遣い」に始まり、「青色サヴァンと戯言遣い」に終わる、「青色サヴァンと戯言遣い」の物語。The ZAREGOTO STORY has been completed. 完成している物語は大好き。うん、実に、とっても面白かった。

(上) 十三階段
ネコソギラジカル (上) 十三階段

(中) 赤き征裁VS.橙なる種
ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種

(下)青色サヴァンと戯言遣い
ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い
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2006年5月24日 (水)

ヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹/西尾維新

加速。物語大加速。トップまで行かないけど、4速くらいには。

ようやく「玖渚」を脳が「クナギサ」と音読できるようになってきた。「クサナギ」と読んでしまうので、その度に修正しなくてはならくて面倒だったのだった。別にしなくてもいいんだけど。森センセイといい、高里サンといい、よくまあこんなややこし名前をいくつも繰り出すなぁ。匂宮なんて「匂う飲み屋」と変換されたぞ。光源氏もびっくり。

IMEがそういう変換をすることを、この私はあらかじめ予測していました。

嘘です。

ヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹

2006年5月23日 (火)

サイコロジカル(上)(下)/西尾維新

姑獲鳥の夏」に始まる京極夏彦の百鬼夜行シリーズで一番画期的なのは、探偵・榎木津礼次郎を作り出したことだ、とどこかで誰かが書いていた(これじゃ全く引用表記の意味なし。ただの伝聞)。この「戯言シリーズ」においては、「そこを否定すると物語が成立しない」という意味で、請負人・哀川潤が同じ役目でしょうかね。

でも栗本薫はシリウスの性別まで変えたしね、ありあり、全然OK。「全然」は後に打消や否定を伴う副詞なので、この使い方は間違い。と理解しつつも多用していたのだが、最近の辞書には「話し言葉・俗な言い方」という注記付きで「非常に・とても」という意味が載せられていて驚いた。

だから何だというわけではない。戯言戯言。ええ、俗ですとも。

〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し
サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し

〈下〉曳かれ者の小唄
サイコロジカル〈下〉曳かれ者の小唄

2006年5月21日 (日)

クビツリハイスクール―戯言遣いの弟子/西尾維新

多分休憩。Have a break.

一人称の語り手が、主役にして進行役にして戯言遣いであるからして当然の帰結ではあるけれど、語って語って語って一冊が終わる。始まりか方からして、まんが日本昔ばなし並みに唐突。むかし、あるところに、赤い請負人と壊れ気味の戯言遣いがおりましたとさ。

という具合にわけがわからなくなるので、決してこのシリーズをこの巻から読み始めてはいけません。

もしかして西尾維新、いーちゃんに女装させたかっただけだな?

クビツリハイスクール―戯言遣いの弟子

2006年5月20日 (土)

クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識/西尾維新

一作目より二作目の方が面白いなんて~。

主人公(というか、進行役?いや、やっぱり主人公)のセリフ引用。「・・・ぼくの知り合いって頭いい人と性格悪い人ばっかりでしてね・・・。いい加減キャラかぶりっぱなしですから、たまには頭が悪くてもいいから性格のいい人ってのに登場してもらいところだったんですけど・・・」。

頭いい人と、性格悪い人と、付け加えるなら人殺し。ちなみに条件を一つ満たした人が、他の条件に当てはまらないという条件はない。

という話。

傑作だな。

クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識

2006年5月18日 (木)

クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い/西尾維新

「よし、次は西尾維新だ!」と勢い込んで読み始めたのだが、なんで「西尾維新だ!」と思ったのかさっぱり思い出せない。ちなみに「池波正太郎劇場」を読んだ後の話なので、ほんの2日前の話である。脳が一部壊死しているのかもしれない。

ということで、選んだ理由は既にわからないが、きっと神様のお導きだったんだろう。というくらいクリーンヒット。何度も何度も何度も言っているが、メフィスト賞恐るべし。森博嗣よりもキャラクターに感情移入ができ、高里椎奈よりミステリ色が強く、舞城王太郎より文章が読みやすい。と思う。孤島に天才がいっぱい集まったら、そりゃもう、誰か、もしくは誰もが殺されるのである。

一人称の語り部はかなり鬱屈しているので、関口巽や栗本薫(作家の方じゃなくて、作中探偵の薫クンの方)の悩みっぷりがどうにも肌に合わない、という人は避けといた方が無難かも。戯言だな。

クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い

2006年5月16日 (火)

池波正太郎劇場/重金敦之

著者が「池波正太郎劇場のプログラムのようなもの」とあとがきで言っているように、生い立ちから生活、さらに主な作品についてを語る、池波正太郎読本。どっちかに寄った方がいい気もするけれど、読み物として普通に面白い(とは言っても、池波作品を全く知らない、という人にはお勧めしない)。鬼平犯科帳も藤枝梅安もまだまだシリーズ途中、一体この先どうなっていったのだろうかと、続きが読めないのがとても残念。クリエーターは大変である。

さてこの池波正太郎先生、ご本人も大変な食通なのであるが、作品を読んでいるともう、出てくる食べ物がおいしそうでおいしそうで。毎回大根を煮たくなる。と思うのは私だけではないようで、作中の料理を特集した本も出ている。宮部みゆきの「初物語」や北森鴻の「香菜里屋」シリーズが好きな方で、うっかり池波作品を読んでない方は、ぜひとも挑戦すべき。

突然だが、私は昭和の始めのジェントルマン、白洲次郎が大好きである。実は池波正太郎先生、けっこうイメージかぶるのではないかと思うのだ。どちらも侠気と才能にあふれる伊達男にして生粋の東京人。

このことである。

池波正太郎劇場

梅安料理ごよみ
梅安料理ごよみ

剣客商売 包丁ごよみ
剣客商売 包丁ごよみ

2006年5月13日 (土)

強運の持ち主/瀬尾まいこ

「一人で仕事がしたいから」と占い師に転職した、ユルめの占い師、ルイーズ吉田の物語が4つ。ユルい割には、客の彼を奪ったりしてるけど。ああでもいいなぁ、一人でする仕事。

主人公が占い師ということで、味噌をそのまますくって食べる師匠・ジュリエ青柳とか、おしまいが見える吉田くんとか、ちょっと変わった人々がちょこちょこ出てくる。でもこの作者は、どの作品でも人間を見る目があったかいから好きだ。

今回は表紙がなかなか可愛くて気に入った。話の中では第一話「ニベア」がイチオシ。

強運の持ち主

2006年5月 8日 (月)

富豪刑事/筒井康隆

大前提として、私はTVドラマを見てません。なので深キョン演じるヒロインの名前は全く知らないけど、原作の主人公の名前は「神戸大介」。つまり男。ドラマ化にあたって性別が変わることって、けっこうありますね。

内容は神戸大介が勤めるとある県の県警が扱う事件が4つ。推理小説としての題材を色々含めつつ、構成なども色々挑戦しつつ、と作者はずいぶん苦労したらしいが(あとがきより)、何よりもコメディ小説として楽しい。

さて、この新潮文庫の初版、昭和59年1月。単行本初版、昭和53年5月。わお。30年近く経ってドラマ化。「富豪」の定義も随分変わっただろうなぁ。

富豪刑事

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