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2006年6月

2006年6月11日 (日)

ファウストvol4

購入の理由。まだ書籍化されていない乙一と西尾維新の短編が掲載されているから。

実はそれ、5人の作家とひとりの編集者が、沖縄で「文芸合宿」なるものを張りました、という企画モノの一環であった。

課題1)5人の作家が、それぞれ「上京」をテーマにした短編を書く。
課題2)5人でひとつのリレー小説を書く。
東浩紀による講評まで含めて、合宿期間は4日間。

5つの短編とリレー小説を好みで並べれば、乙一「子供は遠くへ行った」、西尾維新「携帯リスナー」、リレー小説「誰にも続かない」、北山猛邦「こころの最後の距離」、佐藤友哉「地獄の島の女王」、滝本竜彦「新世紀レッド手ぬぐいマフラー」。実は滝本作品、最後まで読めず。面白いとかつまらないとかいうよりも、何回か読んでノらなかったので諦めた。今の気分に合わなかったのかも。別に私は講評者じゃないし、無理して全部読むことないな、と判断してパス。今、切ないものを書かせたら、乙一の右に出るものなし。

東浩紀が最後に、「テーマに合っているか」とか「どのくらいテーマを深くとらえているか」という観点から講評をしている。企画的にはそれが筋なんだろうけど、読者は、というか私はテーマから外れてようがなんだろうが、面白いものを読ませてくれればそれでいいのだった。というようなことを、リレー小説でアンカーの西尾維新が書いていた。

あ、このムックは厚さ5cm(800ページ)くらいある分厚いシロモノなのだが、他のものについてはいずれ読もうかと。読むかな。読むかもしれない。読めるといいな。

ファウストvol4

2006年6月10日 (土)

うそうそ/畠中恵

「しゃばけ」 シリーズ5作目。

前作がいまいち好みじゃなかったので、どうかなぁと思いつつ読んだけど、今回はかなり面白かった。きっと私、この人の作品は長編の方が好きなんだな。なるほど。

江戸から外どころか家からもほとんど出ない病弱若旦那が湯治のために箱根へ、というこのお話、これまで若旦那べったりだった常連が、様々な理由であまり出てこない。が、その代わりに脇を固める登場人物が、なかなかみんな曲者で魅力的。

うそうそ

2006年6月 9日 (金)

ザレゴトディクショナル 戯言シリーズ用語辞典/西尾維新

戯言シリーズの辞書。登場人物やらなにやらが、「あ」から「ん」まで50音順に並ぶ。裏話や製作秘話、話によっては犯人が赤裸々に書かれていたりするので、本編未読の場合は絶対読んではいけない。というシロモノなので、袋とじ。破らないと読メマセン。そんなわけで、残念ながら立ち読みもデキマセン。同日に発売されたこっちよりも、サイドストーリーらしいといえばサイドストーリーらしい。

これ読んだら、本編読んでる最中に気になった、「ネコソギラジカル」の登場順物一覧にひとり足りなくない?とか、「クビツリハイスクール」ってちょっと異色じゃない?とかいった点は全て解決してしまいましたとさ。

私はここでもよく「シリーズものは最初から順に読め」ということを書きがちで、本気でそう思ってはいるけれど、本書の中に「(シリーズ物を)順番に読んだ方がいい、というのは、順番に読んだ人だけだ」という内容の記述があった(著者の言葉ではなくて、さらに誰かの引用)。うーん、ナルホドね。 ザレゴトディクショナル 戯言シリーズ用語辞典

深山木薬店説話集/高里椎名

薬屋探偵妖綺談のサイドストーリー集。巻頭に注記もあるけれど、本編の結末が明かされている話があるので、本編未読の方は決して読んではいけない。というか、読んでも絶対ワケわからない。逆に、巻末にシリーズ年表が掲載されてたりするので、きっと好きな人にはたまらない。

かくいう私は、実はそれほどこのシリーズが大好きなわけではないのだった。一番の理由は、赤毛ちゃんが発する「師匠」「兄貴」という単語に、どうしても違和感を感じてしまうせい。まあこの辺は好みなので、お話としての完成度とはまた別の話。つまらなかったら13+1冊も読まないわけで。

でも、コレと同日発売ってのもけっこう面白い。サイドストーリー強化月間か、講談社。どちらの作者も揃って引用好き。そういうところは嫌いじゃない。っていうかむしろ大好き。

深山木薬店説話集

2006年6月 4日 (日)

熊の場所/舞城王太郎

表題作を含めた短編が3つ。全てテイストが違うので、厚さの割にお得感あり。

特徴ある文体は相変わらず。句読点が少ない。改行が少ない。下手したら1P丸ごと文字。読み手を選ぶのは、メフィスト賞出身作家の特権かも。お初の方は、やっぱりデビュー作「煙か土か食い物」から。とも思ったけど、本作から入るのもいいかな。なんだかこの人のエッセンスが凝縮されている気がする。なので、これでダメなら避けた方が無難。んー、あと村上春樹がダメな人はダメかもしれません。

今回のイチオシは2つめの「バット男」だけど、デビュー作の勢いそのままに走ってるのは、3つめの「ピッコーン」。

熊の場所

2006年6月 3日 (土)

移植病棟24時/加藤友朗

マイアミ大学の加藤友朗医師の著作。最近、日本でも話題になった、陽介くんあやかちゃんの移植手術を執刀した医師である。

いくつかの患者とのエピソードと合わせて、移植に関する問題、脳死に対する考え方が、著者本人の悩みなども交えながら語られる。

フィクションだと言われた方が納得するくらい、著者及び登場する医療関係者の視線が、患者及びその家族に向けて常に暖かい。まあそういうお話ばかりを抜粋しているのだとは思うが、読んでいて気持ちがいい。

保険未加入で手術代の支払いが望めない移民男性の手術前。著者が相談した上司の回答。「正しいことをすればいいんだ。些細なこと(お金のこと)は気にするな。そんなことは(医者以外の)他の人間にまかせておけばいい」。「他の人間」が気の毒ではあるが、患者と家族にとってはこんな医者がいれば救いの神だ。

また、医療・病院の話なのに、裁判所が何回か登場する(訴訟の話ではない)。やはりアメリカは司法国家なわけで、それはそうならざるを得ない背景があるわけだから、きっと一概にいいことだとは言えないんだろう。

移植病棟24時

2006年6月 2日 (金)

火の神(アグニ)の熱い夏/柄刀一

閉ざされた空間での犯人探し。

ロジック、論理、ロジック、論理。実は私、物語として面白ければ、「反則」や「ご都合主義」にもある程度は寛容で、読みながら真剣に犯人当てをすることはほとんどない軟弱ミステリーファン。なので緻密な計算をしている作者に申し訳ないな、と思うこと多々。まさに今回もそう。へぇ、とかほぉ、とか言いながら読み進めた。ほんとスミマセン。

長さが短めで、コンパクトにまとまっているお話なので、新幹線の中などで読むのに適している気がする。他の作品にも登場する南美希風が探偵役だが、知らなくても全く問題なし。

火の神の熱い夏

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