« 2010年5月 | トップページ | 2010年8月 »

2010年7月

2010年7月25日 (日)

ZERO 全6巻/やまざき貴子

1996年から、毎年夏に前後編で雑誌掲載されていた近未来SFマンガ。
半分くらいまではオンタイムで追っていたのだけど、登場人物は多く伏線は複雑、年一でしか続きが読めないのにはっきりくっきりストーリー重視、しかも毎回新キャラと新設定出てきます。という多重苦のために途中で挫折。というか、すっぱりきっぱり忘れていた。突然思い出して調べてみたら、数年前に完結している模様。単行本で11巻。あ、文庫版全6巻が去年発売されている。こりゃ都合がいい。と一気読み。

近未来少年SF冒険譚。面白いんだけど。すごく面白いと思うんだけど。やっぱりちょっと盛り込み過ぎじゃないかなあ。もっとシンプルにいけた気がする。そしてこの作者の絵、きれいなんだけど人の判別がつきにくい。親子に双子にクローンに生まれ変わり。似た顔満載設定な話が、現在と過去を行ったり来たりするので、あれ、アンタさっき死ななかった?と混乱したり。そう、この話は少女マンガの割にデスノート並みに人が死ぬ。そ、そんなに殺さなくても。

数年ぶりに思い出した理由は多分ふたつ。その一、「塩の街」。どちらも廃墟と化した日本が舞台。その二、最近の狂った暑さ。この話、炎天下を歩くシーンが多いのだ(特に前半)。

10年かけておつきあいはできなかったけど、一気に読むのもまた楽し。何より前世紀からの宿題をひとつ片付けた気分で大満足。ゼロを取り戻したとでも言いますか。忘れてたんだけどね。

※追記
後日、連載時最終回掲載雑誌(「メロディ」2005年4月号、5月号)を読みました。
すごい改稿っぷりです。なんというか、雑誌版とコミックス版を併せてひとつの話なんじゃないかと思うくらい。両方読むといいと思います。

※追記2
さらに後日、単行本11巻も読んでみました。当然ながら発刊時系列は雑誌掲載→単行本→文庫本なわけですが、全てに改稿が入ってます。全部読んでみるといいと思います。


ZERO 1〔文庫版〕 (小学館文庫 やD 5) ZERO 1〔文庫版〕 (小学館文庫 やD 5)
やまざき 貴子

ZERO 2 〔文庫版〕 (小学館文庫 やD 6) ZERO 3 〔文庫版〕 (小学館文庫 やD 7) ZERO 4  〔文庫版〕 (小学館文庫 やD 8) ZERO 5  〔文庫版〕 (小学館文庫 やD 9) ZERO 6  〔文庫版〕 (小学館文庫 やD 10)

2010年7月24日 (土)

シアター! /有川 浩

「賢者は歴史に学び、愚か者は体験に学ぶ」と言ったのは、鉄血宰相ビスマルク。ドイツ統一を成し遂げたドイツ帝国初代宰相。

歴史に学ぶ切れ者兄と、体験に学ぶだめっこ弟のお話。
兄の職業:サラリーマン。
弟の職業:無職。じゃなくて弱小劇団「シアターフラッグ」の主宰。
その劇団が背負った借金を、兄に無心に来(て吊るされそうにな)るところから物語スタート。劇団経理をばっさばっさと切っていく兄ちゃんの大鉈に、付いた仇名が「鉄血宰相」。
この作者、女の子より男の子の方が書くの上手いですね。

実は2箇所ほど、視点を追いきれずに混乱した場所があったりしたんだけど、それを引いても面白かった。
そして劇中劇の『掃きだめトレジャー』、『レディ・アンをさがして』みたいに切り出し出版してくれたら私はきっと買う。

シアター! (メディアワークス文庫)
有川 浩
4048682210

2010年7月22日 (木)

きょうのそらはどんなそら/ふくだ としお・ふくだ あきこ

待望の第一子に「そら」と命名した先輩へ出産祝。

これからぐんぐん成長していく赤ちゃんにぴったりじゃないの、とタイトル買い。アマゾンも楽天も配送じゃ間に合わない日程だったので、ジュンク堂の在庫検索で店頭取り置きしてそのまま取りに行った。余談ながらネットからの店頭在庫検索システム、紀伊国屋よりもジュンクの方が使いやすい。

中を見ずに買ったけどつまらんかったら渡せんがな、とプレゼント包装をお断りして帰りの電車でお毒見。めでたく本日、そらちゃん(の枕元)に渡りました。

可愛くて気持ちのいい絵本です。

きょうのそらはどんなそら
ふくだ としお ふくだ あきこ
4477020015

2010年7月13日 (火)

レインツリーの国/有川浩

人間ドックのお供に持参。人間ドックなるものは色々な検査を受けなきゃいけない上に受診者がけっこういるので、待ち時間が多い。長いんじゃなくて、多い。いや、長いときもあるんだけど。レントゲン室の前で5分待ち、エコー室の前で7分待ち、問診の前に5分待ち、とストップ&ゴーの繰り返し。持ち歩きが楽な文庫本は必携アイテム。ただ細切れ時間が基本なので、何を持って行くかは吟味が必要。
「○○さーん(自分)」と呼ばれたときに、「ちょ、ちょっと今、ザリガニが来襲中なので後回しにしてくださいっ」とか言えないし。緊張と興奮で必要以上に血圧が上がっちゃうかもしれないし。そういうときに読むにはこの本、最適。よくやった、すごい、えらい。と自画自賛。

共通の「忘れられない本」があるふたりのラブストーリー。3歩進んで2歩下がる。みごとにストップ&ゴーだらけの進展。君らもたついてる間に、私レントゲン撮ってくるわ。

てな感じで病院内で読了。センシティブな話題を取り扱ってはいるものの、味わいライトで、検査中に読んでも人体に影響はありません。二塁打ナナコがよいですね。
図書館戦争シリーズ(未読)とコラボってるらしいけれど、劇中劇っぽい使われ方のようなので、単独で読んでも全然問題なし。

たったひとつ残念だったのは、図書館シリーズのあるエピソードにかなり詳しく踏み込んだ巻末解説。これから読む人もいるのに、なんでそういうことするかなぁ。訴えたいことはわかるけど、別作品をそこまで引用する必要性は全く感じなかった。図書館に自由があるように、読者には全く知らないお話をドキドキしながら読む権利があるぞ。

レインツリーの国 (新潮文庫 あ 62-1)
有川 浩
4101276315

2010年7月11日 (日)

零崎人識の人間関係/西尾維新

人間シリーズ完結編。4冊同時刊行。

4冊同時刊行。4冊同時刊行。4冊同時刊行。
しつこいけれど私はシリーズものは「順番」に読みたい素直な読者である。4冊同時って。と悩んだ末、出版社が振ったシリアル番号順に読むことにする。どこまでも素直な私である。

(ニJ-24)匂宮出夢との関係からスタート。(ニJ-25)零崎伊織、(ニJ-26)零崎双識、(ニJ-27)戯言遣いと進む気満々。で、出夢のあとがき読んでたら。

同じ零崎人識を主人公として三つの物語と四冊同時発売となっておりますが、この本が最終巻です。と、四冊全部に書かれています。ちなみにこの本を最終巻として読むときの読み方は、『戯言』→『伊織』→『双識』→『出夢』ですな。

げ。作者自らがそんなことを。今言うな!ちなみにそれぞれのあとがきで作者が言うところのモデルコースは、
『戯言』→『伊織』→『双識』→『出夢』
『出夢』→『双識』→『戯言』→『伊織』
『伊織』→『戯言』→『出夢』→『双識』
『双識』→『出夢』→『伊織』→『戯言』
の4パターン。

出夢から入った私は2番目を選べばよかったのかもしれないけど、戯言を最後にしたいという希望から当初の予定のまま続行。最後の最後で反抗期。いやでも、なかなかこれもよかったと思う。
好みで並べたら『双識』>『伊織』>『出夢』>『戯言』。そっか、今でも好きなんだね。

これから読む方はあとがきを先に読んだり登場人物の好みを考えたりしながら、色々悩むがよいでしょう。注意点は、「○○との関係」と言いつつ、○○が全く出てこなかったりする巻があること。出ずっぱりの巻もあるけどね。ま、それも西尾維新っぽいでしょ。

零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係 (講談社ノベルス)
西尾 維新
4061826794
零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係 (講談社ノベルス)
西尾 維新
4061826808
零崎人識の人間関係 零崎双識との関係 (講談社ノベルス)
西尾 維新
4061826816
零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係 (講談社ノベルス)
西尾 維新
4061826824

零崎双識の人間試験・零崎軋識の人間ノック・零崎曲識の人間人間/西尾維新

3月に西尾維新が同日に4冊の新刊を発売した。
零崎人識の人間関係
いや、発売したのは講談社だけど。零崎人識くんは、こちらの主要人物なので、やはりシリーズ読者としては読んでおくべきか、と思ったのが若葉の頃。けっこう素直な私。が、この零崎人間シリーズ、これより前に何冊か発行済み。なら、先に出たものから読もうかと。かなり素直な私。どうせなら出版順に読もうかと。すごく素直な私。

それなのに。在庫の関係で一番早く手に入ったのが3作目の「零崎曲識の人間人間」。西尾維新はどこから読んでもいいようにお話を作る器用な作家だけど、私は順番に読みたい不器用な読者なのである。ぜひ関連作品は増刷しておいていただきたい。ちなみにこれ、5月の話。7月の今はどれも豊富在庫なのがまた腹立たしい。手に入った順からすぐ読み出してしまう自分はもっと腹立たしい。

そんなわけで、人間人間→人間ノック→人間試験の順で読了。真逆だよ!という憤りはおいといて、人識くんの3人の兄ちゃん(と1人の妹)の話。いや、小唄さんに「全滅しております」と言われた零崎賊全滅の過程。結論から言うとやっぱり順番に読みたかったかなと。じゃないといきなり伊織ちゃん腕なかったりするし。

そして、戯言シリーズ未読の人が読んで面白いのか、そもそも意味がわかるかどうかは、既読の私には判断のしようがない。私のような素直な読者は、先に戯言を読むことをお薦めする。子荻ちゃん、戯言の中ではいいところなく即座に退場していたけど、有能な人だったのね。

人間人間が一番面白かったかな。

零崎双識の人間試験 (講談社ノベルス)
西尾 維新
4061823590

零崎軋識の人間ノック (講談社ノベルス)
西尾 維新
4061825097
零崎曲識の人間人間 (講談社ノベルス)
西尾 維新
4061825828

2010年7月10日 (土)

空の中/有川浩

塩の街」 を読んでいたら、「ひとめあなたに・・・」を思い出した。今回は白鯨&フェイクが何かに似てる、と思い続けて読み終わってからようやく思い出す。「そして、星へ行く船」に出てきた結晶モドキ。いや、似てないけどさ、覚えてるもんだね、何年前だ。と感慨にふけったままページをめくってびっくり。巻末解説、新井素子。

せっかくなので解説から引用。

導入部がとっても魅力的で、その後の構成もすっごく引き込まれる、キャラクターがよくって、笑えて、"痛く"て、泣けて、舞台設定までが魅力的。

ということで大変面白うございました。「クジラの彼」収録の短編に出てくるパイロットが登場。というか、こっちが本編。

私が一番気に行ったセリフは、文庫のみに入った番外編の中の一節。

だから、君は自由に未来を選べます。

ティーンエイジャーに向けて声に出したい日本語のひとつでしょ。君たちに明日はある。私も夢中で新井素子読んでた時代は、自由に未来が選べていたはずなのさ。

有川自衛隊三部作を好みに並べたら、>空>。特に海空は限りなく僅差。海に軍配を上げたのは、乗り物として世の中で一番好きなのが船だから、という超個人的趣味。潜水艦だけど。

空の中 (角川文庫)
有川 浩
4043898010

2010年7月 6日 (火)

塩の街/有川浩

有川浩デビュー作。久しぶりに作者ローラー大作戦。

この作品には角川版と電撃版があって、本当のデビュー作は電撃版。だってほら、電撃ゲーム小説大賞受賞作品だから、これ。どっちを読んでも筋は同じだけど、まあ角川の方が後から出てるので加筆修正されてる分、ちょこちょこ整えられてる感じ。電撃の方がシーンも登場人物も多い。ええ、両方読みましたとも。だってほら、ローラー大作戦だから。

私はこのお話、角川だろうが電撃だろうが前半(具体的に言うならシーン4まで)の方が好き。壊れない人を描いた伊坂幸太郎、壊れてゆく人を描いた新井素子、壊したくない人を描いた有川浩って感じでしょうか。

海の底」 と比べるなら海の方が好み。キャラクターで言うなら入江・冬原派。そしてもちろん、次は空。

塩の街 (角川文庫)
有川 浩
4043898037

 塩の街 (電撃文庫)
 有川 浩 昭次
4840226016

2010年7月 4日 (日)

海の底/有川浩

クジラの彼」の船乗り達が登場。というか、こっちが本編。
同じキャラクタ使ってるのに、クジラには一切SF要素が出てこないのが見事です。

潜水艦の中と陸上とが、全く別々に同時進行。潜水艦の中の15少年漂流(しない)記も楽しいですが、陸上の人たちが面白いですよ。ダーティー・ハリーがいっぱい。

とりあえず船好きにはたまらない。潜水艦だけど。動かないけど。潜らないけど。

海の底 (角川文庫)
有川 浩
4043898029

2010年7月 2日 (金)

クジラの彼/有川浩

実に幸せな気分になれました。
それだけで満足ですが、好みを言うなら表題作「クジラの彼」と「ロールアウト」。

クジラの彼 (角川文庫)
有川 浩
4043898045

カテゴリー

最近のトラックバック

無料ブログはココログ