[い]伊坂幸太郎

2012年2月26日 (日)

書き下ろし日本SFセレクション NOVA5

大森望責任編集。
新作書き下ろし中篇を8つ集めたSFアンソロジー。ここまできちんと「SF」と銘打たれたものを読むのって、すごく久しぶりな気がする。
小説よりも現実の方がよほどスリルとアドベンチャーに満ちた昨今、サイエンス・フィクションの行く道はなかなか大変だ。  

好みで星をつけるなら、「スペース金融道/宮内悠介」が星5つ。初めて読んだ作家さんだけれど、面白かった。これだからアンソロジーは楽しいね。
そしてその他の星取表。

ナイト・ブルーの記憶/上田早夕里  ****
愛は、こぼれるqの音色/図子慧  ***
凍て蝶/須賀しのぶ  ***
三階に止まる/石持浅海  ****
アサムラール/友成純一  *
スペース金融道/宮内悠介  *****
火星のプリンセス 続/東浩紀  ---
密使/伊坂幸太郎  ****

つまり石持浅海と伊坂幸太郎につられたわけですが、この人たちは期待通り面白かったです。
それから図子慧。私が季刊コバルトを読んでいた時代に、コバルト・ノベル大賞を受賞した方ですよ。受賞作が海の上で始まる話だったのを覚えてる(それしか覚えてない)。まだ書いていたとは、ちょっと嬉しい。
「火星のプリンセス」は続きモノの途中らしいので、今回はパス。前作を読む機会があったら続けて読むかもしれないけど、今のところ予定なし。

NOVA 5---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)
東 浩紀 伊坂 幸太郎 石持 浅海 上田 早夕里 須賀 しのぶ 図子 慧 友成 純一 宮内 悠介 大森 望
4309410987

2012年2月18日 (土)

仙台ぐらし/伊坂幸太郎

ここまで売れている作家を好きだというのはもう気恥ずかしいが、伊坂幸太郎が好きだ。
伊坂幸太郎の作品の舞台はほとんどが仙台で、なぜなら伊坂幸太郎が仙台に住んでいるからだ。
関東出身の彼が専業作家になってからも仙台に住み続けているその訳は、きっとそこが好きだからなんだろう(本人がどこかで言っていたような気もするけれど、私の勝手な思い込みかもしれない。大人には色々事情がありましょうし、実際のところはわからない)。

そんな仙台に暮らす作家が、地元の出版社から出した、仙台を舞台にしたエッセイ集。
本人が苦手だと言っているエッセイだけれど、1冊目は面白かった。2冊目のこれだって、前半の10編はいつも通り面白い。タクシーの話、猫の話、喫茶店の話、ルンバの話、車の話。殺し屋も死神もしゃべるカカシも出てこない、いつも通りの世界のお話。電車の中なのに、何度か笑ってしまった。

ただ仙台の普通の暮らしは、2011年に大打撃を受けた。なので、後半は、その大打撃の最中、あるいは直後の話。電車の中なのに、何度か泣いてしまった。

最後に書き下ろし短編。作中に具体的な地名を出していないけれど、これは石巻を舞台にしたお話。ああ伊坂幸太郎だ。と、電車の中で安心する。

伊坂幸太郎さん、私も、楽しい話が読みたいです。

---
ネット本屋での取り扱いはBK1のみ。

2011年4月11日 (月)

フィッシュストーリー/伊坂幸太郎

泥棒の黒澤サンが好きなので。出番が多くてなによりです。でも、一番好きだったのは、表題作「フィッシュストーリー」。

ところでこれ、私の本棚に単行本と文庫が両方あって。出版時系列から見るに、「陽気なギャングの日常と襲撃」より後に出た伊坂本、私あんまり読んでない。というか、「あるキング」しか読んでない。でも大体、本棚にはある。自分でも何を読んだかわからなくなっちゃって、文庫が出たら買っちゃったものと思われる。

あーあ、ゴールデンスランバーも文庫が出ちゃったし。

フィッシュストーリー (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
4101250243

2010年4月30日 (金)

Story Seller2/新潮社ストーリーセラー編集部

初戦に続いて第2試合。

始球式:沢木耕太郎
---
一番:伊坂幸太郎 ヒット
二番:近藤史恵 送りバント(褒めてます。面白かったです)
三番:有川浩 スリーベースヒット
四番:米澤穂信 内野ゴロ
五番:佐藤友哉 振り逃げ(褒めてます。面白かったです)
六番:本多孝好 サヨナラヒット

うーん少々パワーダウンかな。伊坂幸太郎は手堅く、近藤史恵と佐藤友哉は言ってみれば前回からの続き物。有川浩は1の衝撃はなかったけどやっぱり面白くて、本多孝好は今回の方が好き。残念ながら今回の米澤作品は私はダメでした。沢木耕太郎は・・・ちょっと反則な気がする(笑)。

Story Seller〈2〉 (新潮文庫)
新潮社ストーリーセラー編集部
4101366721

2010年4月24日 (土)

Story Seller/新潮社ストーリーセラー編集部

アンソロジーは恐ろしい。

並べられてしまうと、簡単に比較ができてしまって、うっかり打率を計算したりしてしまう。私は大体、それが3割くらいであれば満足する。5割超えたら大当たり。大体、アンソロになる時点で、しょうもない作品が入っていることはあまりないし。

いつでもヒットを打つ伊坂幸太郎と、好打者なのになかなか打席に立ってくれない本多孝好が入っていれば問題ないでしょう。という感じでプレイボール。

一番:伊坂幸太郎。ヒット。
二番:近藤文恵。送りバント。(褒めてます。面白かったです)
三番:有川浩。・・・場外ホームラン。

ここでボロ泣きしてしまってサスペンディッド。その後の作品、あまり覚えていられず、うっかり伊坂幸太郎も忘れるところだった。

気を取り直して改めて。

四番:米澤穂信。セーフティーバント。
五番:佐藤友哉。振り逃げ。(褒めてます。面白かったです)
六番:道尾秀介。ツーベースヒット。
七番:本多孝好。タッチアップ用外野フライ。

いや、打席の結果は私の感覚で適当なんだけれど、つまらない作品はひとつもなかったということでいい試合でした。特大ホームランも見られたし。

Story Seller (新潮文庫)

新潮社ストーリーセラー編集部
4101366713

2009年8月30日 (日)

あるキング/伊坂幸太郎

凡人たるワタシにはわからないことではあるが。
King of Popsはこんな感じだったのかもね。
何よりこのタイミングで書いた伊坂幸太郎がすごい。

あるキング
伊坂 幸太郎
4198627797

2006年5月27日 (土)

陽気なギャングの日常と襲撃/伊坂幸太郎

伊坂幸太郎の、初めての続編らしい。

前作は「陽気なギャングが地球を回す 」。伊坂作品、初の映画化。絶賛公開中。

残念ながら前作ほどワクワク感はなかったけれど、会話を中心にしたユーモアは健在。ま、伊坂幸太郎ですから。個人的には饗野&祥子サンの会話が一番好き。

一作目を読んだ方にオススメ。ちなみに映画の方は、「わからないフリが上手い方」にオススメ。

陽気なギャングの日常と襲撃

2006年4月 1日 (土)

終末のフール/伊坂幸太郎

伊坂幸太郎である。新刊である。
「8年後、小惑星が地球に激突する」という発表がありました。というアルマゲドンな設定。当然、伊坂幸太郎であるからして、地球を救う男たちの話ではない。舞台はその発表から5年経った、つまり小惑星の衝突を3年後に控えた、とあるマンションの住人たち8世帯のお話。短編を並べて、その登場人物たちが相互に友情出演(特別出演かも)、というのは、この作者の得意とするパターン。ちなみにロケーションはまた仙台(笑)。
砂漠」では電車の中で泣きそうになったが、今回は一駅乗り過ごした。次の駅で逆方面に乗ったら、もう一度乗り過ごした。アホである。
さて、「小説すばる」に連載されていたというこの作品、どれもなかなか面白かったけど、私は表題作の「終末のフール」と「冬眠のガール」がお気に入り。この人は、ものすごい設定で「希望」を書く。死神が語ったり、泥棒が語ったり。シンプルだけど、好きな理由はそれだ。

参考までに、新井素子の「ひとめあなたに・・・」がほとんど同じ設定のお話。こちらは隕石衝突まであと1週間。未読の方はぜひどうぞ。壊れない人を描いた伊坂幸太郎、壊れてゆく人を描いた新井素子、って感じです。ということで、今回のカテゴリは「SF」。伊坂作品、毎回分類に悩みます。

「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」

終末のフール

2006年1月24日 (火)

砂漠/伊坂幸太郎

電車の中で読んでいたら、何度も泣きそうになってしまった。正直なところ「魔王」はいまいち好きになれなかったのだけど、これはとてもよかった。面白かった。

私が涙してしまうのは、大体西嶋くんが妙な方向に突き進んでいるとき。なんだかもう、初めて見た母鳥の後を無条件に追いかけてるアヒルのような一直線な一生懸命さにやられてしまうのであった。幹事の莞爾の最後の言葉は、できすぎなような気もするけどやっぱり素敵。ああいう学生生活を送れた彼らはかなり幸せでしょう。

以下蛇足。私はこれまで、「モチーフ」と「テーマ」の違いがイマイチわかっていなかったのだけど、これを読んだらよくわかった。モチーフは麻雀、テーマは友情。なるほど。

つまり内容は、とあるスポーツに打ち込む男女の、栄光と挫折の物語。なんてことはまるでない。

砂漠

2005年10月21日 (金)

魔王/伊坂幸太郎

講談社「エソラ」に連続で掲載された作品。こんなこと書いてたら、あっと言う間に単行本になった。考えることを止めない、兄弟の物語。

考えろ考えろ考えろ。がテーマかなぁ。弟くんは、「重力ピエロ」の弟くんとか「透明ポーラーベア(I love you内)」の弟くんと性格がかぶる感じ。

「自分が読んだことのない小説を書きたい」と思って書いたそうなので、これまでの作品とはちょっと毛色が違う。作者もずいぶん考えたに違いない。一応、作者は「ミステリ」に分類されるのだろうが、この作品はSFにカテゴライズ。

魔王

より以前の記事一覧

カテゴリー

最近のトラックバック

無料ブログはココログ