《W》ドン・ウィンズロウ

2010年12月 8日 (水)

フランキー・マシーンの冬/ドン・ウィンズロウ[訳:東江一紀]

主人公は餌屋のフランキー。釣り人に餌を売ったり、レストランに魚売ったりリネンを納めたりしているけど、昔は凄腕の殺し屋。恋人とディナーをしたり別れた妻のキッチンのメンテナンスをしたりしつつ、娘が医学部に入ることになったからますます稼がなくては・・・というある日、命を狙われる。さて、俺を殺したいのは一体誰だ。

とにかく登場人物が多くて、油断すると誰が誰なのかわからん!という状態になるので、一気に読むことをお勧めする。上下巻だけど、一冊は薄めだし。というか、私の場合は誰にお勧めされなくても、この作者の本は一気に読んでしまうのだけど。

現在形の多用はここでも変わらず、テンポのよさもいつもの通り。

現役の外国人作家で新刊を待っているのはこの人くらいなので、ニールシリーズ完結以来の音沙汰のなさにどうしたことかと思っていたら、去年あたりから復活してきて嬉しい限り。訳者あとがきによれば、この先も1年に1作は読めそうな気配。原書で5年のシリーズが13年かかった前科はあるけれど、もしも私が富豪なら、私のためだけに東江一紀に「歓喜の島」を訳してもらいたい!と半ば本気で思っているくらい、私はウィンズロウ&東江コンビが大好きである。

お二人ともお体ご自愛の上、ぜひ末永くご活躍のほど・・・・。

フランキー・マシーンの冬 上 (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ 東江 一紀
4042823068
フランキー・マシーンの冬 下 (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ 東江 一紀
4042823076

2006年8月19日 (土)

砂漠で溺れるわけにはいかない/ドン・ウィンズロウ[訳:東江一紀]

「ストリート・キッズ 」 シリーズ5作目にして最終巻。

驚いた。旅行先で本屋をふらついたら見たことのあるデザインの表紙が。まさかねぇ、前作が出てからまだ1年経ってないし。と思って手にとったら正真正銘の新刊だった。驚いた。だっていつもはこんな感じだったから、これが出るのは2010年くらいかと思っていたのだ。驚いた。

という反応を見越していたのか、「訳者あとがき」で、東江一紀が4Pに渡り経過説明と言い訳をしたうえで「ここまで読めば、この五作目が前作から一年後に出たことのすごさがわかっていただけると思います」と締めくくっていた。開き直りすぎである。ただ、「歓喜の島」の経験もあるので、このシリーズは全編同じ訳者で読みたかった。なので満足。絶対無理だけど、「歓喜の島」も東江訳で読んでみたいなぁ。

内容は、これまでの中で一番軽くて短い。今回は「ちょっとアルツハイマーの気があるかもしれない往年の名コメディアン」というおじいちゃんが出てくるのだが、この人がしゃべることしゃべること。例えば、丸々6ページがひとつのかぎかっこ。訳者あとがきより長いじゃないか。こんな人がいなくても、軽快で洒脱な会話がウリのシリーズなのに。おかげで何度も噴き出した。お話的には「フリダシニモドル」。がんばれ、ニール。

13年半もお付き合いしたシリーズの終了はそれはそれで寂しい(ちなみに原作は5年で完結してる)。解説では続編の可能性がさらりと触れられていて、それはそれで嬉しいのだが、ウィンズロウが続編を書いたとしても、きっと日本語訳が出るまでに20年くらいかかるに違いない。でも東江訳がいいな。

【ニール・ケアリーシリーズ(5巻完結)】
1.ストリート・キッズ
2.仏陀の鏡への道
3.高く孤独な道を行け
4.ウォータースライドをのぼれ
5.砂漠で溺れるわけにはいかない
【ちょっとスピンオフ】
歓喜の島

4488288057

2005年10月13日 (木)

カリフォルニアの炎/ドン・ウィンズロウ[訳:東江一紀]

主人公ジャックはカリフォルニア火災生命の火災査定人。保険金を払う火事に不審な点はないか?詐欺ではないか?を調べる仕事。ウィンズロウは色んなことを試してみたかったようで、回想シーン以外はすべて「現在形」で語られる。
-ジャックはトランクを開ける。
-トミーは首を振る。
-レティが言う。
全体的に構成が映画っぽい。14回盗まれたスプーンの保険金を請求しているハサウェイ老婦人がいいスパイス。結末はほろ苦。
原題「CALIFORNIA FIRE AND LIFE」。タイトルで「カリフォルニアの火と命」と「カリフォルニア火災生命」をかけてる。本当に訳者泣かせの作家だと思う。

カリフォルニアの炎

2005年10月 4日 (火)

歓喜の島/ドン・ウィンズロウ[訳:後藤 由季子]

舞台は1950年代のN.Y.。主人公は元CIA工作員のウォルター・ウィザーズ。「ウォータースライドをのぼれ」の登場人物の一人。私は外伝や番外編、最近だとスピンオフ企画が非常に好きなタイプなので、それだけでもうウキウキ。

でも残念ながら、訳に違和感、感じまくり。その他のウィンズロウものと訳者が違うんですね。「ニールシリーズ」や「ボビーZ」の場合、「この楽しい会話は、一体英文ではなんと書かれているのだろう?」と何度も楽しい想像を膨らませたが、本書の場合は「きっと英語ではこんな風に書かれているのだろう、もう少しなんとかならんのか」と思ってしまうことが多かった。うーん、経験の差か、カテゴリ適正の差か、この人の他の訳本を読んだことがないのでなんともいえないところ。でもきっとウィンズロウは訳者泣かせの作家に違いない。少なくともハードボイルドに精通してないとムリ。

だからといって内容が全く面白くないわけじゃないけれど、主人公が別の人間だったら、辛かったかも。その時代に詳しくないと、繰り出される数多の名前が登場人物なのか時事モノなのか、イマイチわからんというのも、ページがなかなか進まない原因に。登場人物紹介に何度戻ったか。 50年代のアメリカ世相に詳しい人はもっと楽しく読めると思う。

でも、Mr.ウィザーズったら、昔はかっこよかったのねー。と、ニールも言ってたわ、そういえば。

歓喜の島

2005年9月22日 (木)

ボビーZの気怠く優雅な人生/ドン・ウィンズロウ[訳:東江一紀]

ニールシリーズを待っているうちに、ウィンズロウは別の出版社からシリーズ外の作品を出していた。油断していた。

「伝説の男」ボビーZになることを求められた、「自制心の足りない男」ティムの物語。融通のきかない主人公、美しいヒロイン、かわいい子供、マフィアに警察。言ってみれば正統派ハードボイルド。
テンポの速い展開と、軽快な会話はここでも健在。

ボビーZの気怠く優雅な人生

2005年9月13日 (火)

ウォータースライドをのぼれ/ドン・ウィンズロウ[訳:東江一紀]

ストリート・キッズ 」 シリーズ4作目。

あまりに久しぶり(前作より6年経過)で、「あれ?ニールの彼女ってダイアンじゃなかったっけ?」と悩んだ。そりゃ一作目の彼女だった。一作目が衝撃的に面白かったので、そのイメージが強いのだった。続編を今か今かと待っているのになかなか出ない。すっかり忘れた頃にいつの間にか本屋に平積みされている。今回もそう。とにかく会話が軽快で楽しいので、原書 ではどうなっているのでしょう?と当時ハワイの本屋で探した経験あり。残念ながら置いてなかった。ネットで自由に洋書が買える時代になったら、すっかり忘れてそのまんま。

さすがに1作目のインパクトはないけれど、待たされただけの楽しさはある一冊。二ールシリーズは5作完結、実質的にはこの4作目で終わりらしい。というか、一体5作目、いつ出るやら。やっぱり原書か?

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