[わ]若竹七海

2011年3月 8日 (火)

火天風神/若竹七海

裏表紙紹介文。

最大瞬間風速70メートル超。観測史上最大級の大型台風が三島半島を直撃した。電話も電気も不通、陸路も遮断され、孤立したリゾートマンション。猛る風と迸る雨は、十数人の滞在客たちを恐怖と絶望のどん底に突き落としてゆく。そして、空室からは死体が見つかって・・・・

2011年3月11日より前に読んだ、最後の小説。私が地球に影響力を持っているわけじゃないのだけど、びっくりした。常に現実は、フィクションの上を行く。

この作者はベースがミステリ(だと私は思っている)なので、見つかった死体は殺人なのか?では誰が?という謎も含みつつの、パニック物語。
有事は人の人格を浮き彫りにする。毒含みだけど一気に読める。

でも、今はやめておいた方がいいかな。

火天風神 (光文社文庫)
若竹 七海
4334741061

2011年2月24日 (木)

ポリス猫DCの事件簿/若竹七海

葉崎市の対岸にある、猫島が舞台の連作短編集。

葉崎市とはこの作者が作った架空の町で、神奈川県の海沿いにある。何度も舞台になっているので、これまでの登場人物が、知らなくても全く問題ない程度にさらっと出てきたりする。

猫島はその名の通り猫だらけの島で、臨時派出所にも人間が一人に猫が一匹。その猫がポリス猫DC。DCと人間のおまわりさんである七瀬くんが巻き込まれる島内の事件簿。

もともと好きな作者なのだけれど、しかも長編より連作短編の方が私の好みに合っている傾向があるので、今回も楽しかった。

中でも「ポリス猫DCと女王陛下の秘密」の終わり方が大好きです。

ポリス猫DCの事件簿
若竹 七海
4334927424

2011年2月18日 (金)

心のなかの冷たい何か/若竹七海

ぼくのミステリな日常」で社内報を作っていた「若竹七海」さんが、会社を「悪夢のような出来事」により退職して、無職になった直後に巻き込まれた連続自殺(?)事件。あ、また主役が無職?2部構成の、前半の方が面白かったです。

あとがきより引用。

(前略)なんで登場人物はケータイ持ってないの?なんでワープロなの?なんで手記をわざわざ郵便で送るの?クリスマス・イブはカップルで過ごすって誰が決めたの?お茶くみって何?なんでみんな遠慮もなくぱかぱか煙草吸ってんの?

なぜなら1990年に書かれた話だから。それはバブル経済のエピローグ期。

解説より引用。

(前略)若竹七海はそういった「国民総楽観主義」の空気に胡散臭さを感じ、「それなら、暗い話でも書いてやろうじゃないか」と思い、本作を執筆したという。

ストーカーやら毒殺やらがすっかりメジャーになってしまった今、作者自らが「現実に追い越されてしまった小説」と言っているけれど、確かに騒いで浮かれて右肩上がりの時代にこれを読んだら、今の倍は怖かろう。そう、最近はコージーばかりで忘れそうになるけど(そしてこの人のコージーは大好きなのだけど)、この作者の持ち味は「毒」。

勧善懲悪のハッピーエンドをこよなく愛する私なのに、なぜかこの人の作品は好きで長らく作家追い。これは気づいたら絶版になっていた片方で、あとは「水上音楽堂の冒険」を残すのみ。こちらの文庫化もぜひ。

心のなかの冷たい何か (創元推理文庫)
若竹 七海
4488417027

2011年2月12日 (土)

プラスマイナスゼロ/若竹七海

葉崎が舞台のコージーミステリー。2008年に出た単行本の文庫化。

あら早いわね、とスルーしていたら、文庫化に際して書き下ろしが加えられていた。最近、こういうの多いなぁ。加筆修正とか全面改稿とか。改稿して前より面白くなるかどうかは置いといて、変わったら読みなくなるのが人情、かどうかは知らないが私は読みたい。

ので読みました。

書き下ろしは最終話の「卒業旅行」。お話としては地味だけど、学校が舞台の話だから、最終話にこれはなかなかよろし。でもこの一話に588円。

ポプラ社は私に感謝していただきたい。

プラスマイナスゼロ (ポプラ文庫ピュアフル)
若竹 七海
4591121364

2010年11月24日 (水)

遺品/若竹七海

作家読み作家なので、常に網を張っている。まぁでも見逃すこともある。角川ホラー文庫から1999年に出てるこれも、見逃したのかなー、と一瞬思ったけど思い出した。ホラーがそんなに好きじゃないから、別にいっかと当時は思って見送ったのだった。

主人公はまた、葉崎の人。でも舞台は金沢郊外の老舗ホテル。失業した主人公が、新しい仕事を紹介されてそのホテルに行くところから物語の始まり。そういえば若竹作品の主人公って、失業している人多くないか。

ほどほどに面白かったけれど、やっぱりこの作者はミステリの方が好きだな。

遺品 (光文社文庫)
若竹 七海
4334748325

2010年11月17日 (水)

みんなのふこう/若竹七海

寡作なこの作者の新刊は、近頃話題のポプラ社から。

前作に続いて、また舞台は神奈川県の架空の町、葉崎。FM葉崎の名物コーナー、「みんなの不幸」に寄せられる、世にも不幸なこころちゃんを巡る事件の数々。
手紙や日記を織り交ぜての連作短編は、この作者のお得意技。でも今回は謎が少々弱かったような?

しかしこころちゃん、実際にいたらかなり面倒ですよ、この子。

みんなのふこう
若竹 七海
4591121240

2009年5月10日 (日)

プラスマイナスゼロ/若竹七海

インディゴの夜」を読んでいたら、久しぶりに思い出した。晶という名前の女探偵は、若竹七海のシリーズにも一人いるのである。
新刊を心待ちにしている作家さんの一人なのだが、数年に一回くらいしか出ない。思い出しついでにamazonで検索してみたら、なんと新刊発見。即買い。

舞台は葉崎。というのは、この作者による架空の町で、ここを舞台に何冊もの作品が書かれている。作品同士は基本的には独立しているけれど、人物やできごとがちょこちょことクロスする。別に知らなくても問題はないけど、まぁ私などはその辺も楽しい。

今回は葉崎山高校に通う3人の高校生のお話。デビュー作「ぼくのミステリな日常」っぽい、日常ミステリ。と、いうよりは青春モノ?なのかもしれないけれど、この作者の連作短編は大体面白い。長編よりも面白い。若竹モノにしては毒が弱いので、お子様からお年寄りまで、安心してどうぞ。

「なんか最近、アタシら死体に縁がねーか?」とは、3人のうちの一人のセリフだが、ミステリとはそういうもの。主要人物になった時点で諦めてもらうしかない。

4861766117 プラスマイナスゼロ
若竹七海
ジャイブ  2008-12-03

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