せっかく仕掛けましたので記しておこうかと。
有川浩ローラー作戦直後の面白かった度ランキング。
実施期間:2010年7月~2010年9月。
思いの他時間がかかったのは、図書館戦争のアニメやらコミックやらに寄り道していたせい。
◇ストーリー・セラー
◇海の底
◇クジラの彼
◇キケン
◇シアター!
◇空の中
◇阪急電車
◇ラブコメ今昔
◇三匹のおっさん
◇図書館戦争シリーズ
∟危機
∟別冊Ⅱ
∟革命
∟別冊Ⅰ
∟戦争
∟内乱
◇塩の街
◇植物図鑑
◇フリーター、家を買う。
◇レインツリーの国
改めて並べてみると、自分の好みがよくわかって笑えます。
『ストーリー・セラー』はもう、この時の衝撃が大きすぎて、これを超えるのはなかなか難しい。
『レインツリーの国』はどうにも私、解説が許せないみたいです。
でもつまらない作品はひとつもなし。全作、楽しく読みました。
本の好みなんてその時の状況や気分によって変わるものなので、これはあくまでも今の気分ということで。
「もう一度読みたいランキング」だとまたちょっと変わりますしね。
これから挑む人は・・・うーん、今、話題の「阪急電車」か「フリーター、家を買う」あたりから始めるのがいいのかなぁ。
もしくは私と同様に、「クジラの彼」と「海の底」から。これだとこの作者の2大特性がわかります。
参考までに還暦を超えるうちのハハは、「ストーリー・セラー」に泣かされた勢いで私の本棚を漁って読んだ「塩の街」はお気に召さなかったようです。
全力無意味、全力無謀、全力本気。
理系のオトコノコたちの楽しくもアホらしい、学生生活のお話。ああセイシュン。
硬派な熱血くんの参謀に人当たりのいい皮肉屋を配置、というのはこの作者のお得意技ですが、今回は若干、2人の立ち位置と血が混じりましたね。メインの方がよくしゃべるし、社交的。どちらも取り扱い注意の人物は、「機械制御研究部」、略してキケンの2年生。そこに新入生が入ってくるところから物語スタート。
大学生とはアホなものでしたが、今もアホなんでしょうか。あまりにも昔のことすぎてもうわからない。でも、アホな時代を少々思い出して、楽しくも気恥ずかしい気分になりました。共学だったけど。
見開きページの演出は、なかなか効果的でした。
キケン
有川 浩
余談ながら。
私が数年前にローラー作戦を実施した伊坂幸太郎が描いた文系男女のセイシュンが、先日文庫化された模様。久しぶりに読んだらまた泣けた。読者驚かせトリックは一回しか使えない必殺技だけど、わかって読んでてもやっぱり面白い。
砂漠 (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
『人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢である』
「砂漠」に引用された、サン=テグジュペリ。
「キケン」も「砂漠」も、最大の贅沢を楽しんだ、贅沢な人たちのお話。
2010年9月時点の最新作。現時点で、この作者が単独で出している作品はこれで制覇かと思われます。有川作品ローラー作戦、ここでひとまず終了。いやいや、ほんとに楽しかった。
いつでも新刊、待ってます。
還暦過ぎて日が暮れて。ジジイは町を駆け巡る。
あ、ジジイと呼んではいけないのです。おっさんと呼ばないと。地域限定の正義の味方、仲良しおっさん三人組による冒険活劇。
冒険活劇の基本はもちろん、勧善懲悪の予定調和。弱気を助け強きをくじき、終わりはまっすぐハッピーエンド。
はい、最初から最後まで王道一直線のどまんなか。イマドキの若者代表・おっさんの孫息子曰く
何だこの時代劇展開。
ほんとに全くその通り。よきかなよきかな、仲良きことは面白き哉。
三匹のおっさん
有川 浩
この作者大好き。
という前提での話なんですが、正直この話、ラブ要素いらなかったんじゃないかと思うわけです。千葉ちゃんが不要と言っているのではないです。登場人物もストーリーも全く変えずにそれだけ抜いても、問題なく話が成立するし、そのエピソードがやや唐突でちょっともったいないかなと。
10月からドラマ化だそうで、主役は二宮くん。千葉ちゃんの役は、ドラマの方が自然なんじゃないかなー。きっとヒロインとしてもっと早く出てくるだろうから。
とかぶーぶー言ってますが、やっぱり幸せな気分になっているので満足なのです。
現代の御伽噺、まさにシンデレラ・ストーリー。全力で褒めてます。
幸せな気分になれるから、この作者のお話が好きなのです。
フリーター、家を買う。
有川 浩
家の前に落ちてたかっこいい男は草花に詳しく、料理が上手い人でした。という話。
作者曰く、天空の城では空から美少女が落ちてくるんだから、道にイケメンが落ちててもいいじゃないか、と(あとがきより)。
いいと思います。
出自がケータイ小説だそうで、一話の完結度が高い。登場人物は基本的に2人、前半はくっきり読みきり用というかサザエさん風というか、なかなか話が進まないので、「あんたたち、いつ、くっつくつもりよー」と叫びそうになった。そんな私なので、中盤以降の方がドラマが動いて好きです。ノビルのパスタ食べたいなー。
有川恋愛ものは基本的にベタベタで展開も意外ではないんだけど、そのベタな展開がたまらないというか、わかっちゃいるけどやめられないというか、私の楽しみ方はそんな感じ。
植物図鑑
有川 浩
なんとなく拾った正体不明で料理が上手い同居人、という設定でミステリーに寄りたい場合はこちらでどうぞ。
現代物に限っていうと、北森鴻以上においしそうなお話を書く人を私は知らない。
しつこいけど有川浩作品ローラー作戦中。作戦中に文庫に落っこってきた、現時点では一番最新の文庫弾。阪急今津線を舞台にしたオムニバス作品。
男の子の視点から始まるんだけど、老いたの若いの幼いの幸せなの不幸せなの取り交ぜて、数多のオンナノコが出てくるお話。以前、「女の子より男の子の方が書くの上手い」とかうっかり賢しげにほざいた私ですが、間違いでした。すみません。
やっぱり幸せな気分になりました。
2話目まで読んだところで、もしかして隠れテーマ「生」?このまま「生」の話?とか思ってた下世話な私だったんですが、そんなことはなかった。ああよかった。来年、映画化もされるそうで。主演は中谷美紀。の婚約者を寝取った友人の役は一体誰がやるんでしょうね。
ところでこれ、図書館戦争に挑んでいる最中に楽天ブックスに注文したら、「品切れでーす」というお知らせがやってきた。なんでだよ、Amazonでは売ってるのに!と憤っていたところ、すぐさま文庫発売。素晴らしい楽天、よくやった。
出来る限り本屋での定価で購入を目指しているものの、定価が安くなる分にはもちろん歓迎。単行本、持ち歩くの重いし。
という理由により、今回のリンクは楽天。
![]() 阪急電車 |
図書館戦争シリーズの続きではあるわけですが、「別冊」と銘打たれて若干色合いが変わっております。
本編と登場人物と舞台設定は同じで時系列も連続してるけど、ドンドンパチパチがほとんどない代わりにラブラブイチャイチャが大増量。これは確実にSFではないな。「海の底」と「クジラの彼」の関係とでもいいましょうか。
あとがきによると、
「別冊図書館戦争」の「別冊」は、「別冊花とゆめ」とか「別冊マーガレット」とかそんな感じの「別冊」です(後略)
・・・わからんがな!高校生の頃、別マは読んでたけどマーガレットは読んでないし!関係ないけど!
ともあれ本編4冊を走り抜けた人は、そのままの勢いでオーバーランするといいと思います。楽しいから。ちなみに私はⅡの方が好みです。
が、Ⅱに出てくる大変気持ち悪い人。あの人、ふつふつと逆恨みを心に育て続けて、将来仕返しを企てるタイプだと思うんだけど、大丈夫でしょうか。また返り討ちだろうけど。
別冊 図書館戦争〈1〉 有川 浩 ![]() |
別冊 図書館戦争〈2〉 有川 浩 ![]() |
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