[し]島田荘司

2006年7月17日 (月)

溺れる人魚/島田荘司

一応、御手洗潔シリーズ最新刊。

「一応」と入れたのは、本書の中では「御手洗潔」ではなく、「キヨシ」もしくは「キヨシ・ミタライ」だから。彼はいまだにスウェーデンにいて、相変わらず難しい研究に勤しんでいるらしい。短編が4本の構成で、うち3編は「さらば遠い輝き」でレオナさんに手ひどくフラれたジャーナリスト、ハインリッヒの一人称。探偵は人によって語られるのみで、はっきりと姿を見せない。お忙しいんですかね。

少なくとも現代医学が戦争によって大躍進を遂げていることは間違いがないわけだけど、人間はどこまで残酷になれるのでしょう。どこまでが許される行為なのでしょう。一体誰が判断するのでしょう。どこまでが事実でどこからが創作か見当もつかないし、内容としては面白いのだけれど、読み進めるにつれて複雑な気分になる。

どよよーんとしたところで、古き良きワトソン役・石岡くん語りの1編が登場。これに救われる。並べ方抜群。こちらは「異邦の騎士」その後。未読の方は、本書の前でも後でも構わないので、併せて読むとよいのでは。ついでに「さらば~」が収められている、「御手洗潔のメロディ」も。

溺れる人魚

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